2014年8月4日星期一

広がる軋轢

さらにアマゾンを非難する声は近年、各方面から上がっている。たとえば、米IT企業が各国の課税制度の違いを利用し、節税にいそしんでいるニュースが話題 になったが、アマゾンの場合は低税率国のルクセンブルクを経由し、たとえば欧州では税率の高い英国などで現地法人が大幅な税の支払いを免れている。

 アマゾンが「脱法行為ではない」と主張しているように、こうした手法は合法的な節税手段ではある。それでも、欧米の議会で「課税逃れ」と反発する声が高まり、経済協力開発機構(OECD)などが国際的な税制の調整や見直しを提言する事態へと発展した。

 また、最近では、フランスで、小規模書店の保護を目的に、オンラインの書籍販売で配送無料のサービスを禁じる法案が可決された。法案が電子書籍市場の巨 人であるアマゾンを狙い撃ちしているのは明白で、アマゾンは規制強化の動きに、「消費者に不利益をもたらす」と反発していた。

 アマゾンの総帥であるベゾス氏は「顧客中心」主義を掲げ、そのために自社の方針を守るためなら、社内外で軋轢を恐れぬ企業文化を持つとよく指摘される。

 ただ、ベンチャーだった時代とは違い、ネット通販の覇者として巨大企業となった今、摩擦をどう乗り越えて成長を続けていくか、正念場を迎えている。タオバオ日本語

2014年7月21日星期一

マクドナルドやKFCに期限切れ肉納入か

中国・上海(Shanghai)市当局は21日、マクドナルド(McDonald's)やケンタッキーフライドチキン(KFC)などの大手ファストフード チェーンに保存期限の切れた食肉を納入していたとして、米食材卸大手OSIグループ(OSI Group)傘下の上海福喜食品(Shanghai Husi Food Co.)の工場を閉鎖したと発表した。
これに先だって上海のテレビ局は、OSIグループの中国工場が期限切れの食肉を新鮮な食肉と混ぜてマクドナルドの品質検査を欺いているとの疑惑を報じていた。

 上海日報(Shanghai Daily)によれば、問題の工場はマクドナルドとKFCの他にも、バーガー・キング(Burger King)、パパ・ジョンズ・ピザ(Papa John's Pizza)、サンドイッチチェーンのサブウェイ(Subway)、コーヒーチェーン大手スターバックス(Starbucks)に食肉を納入していたとい う。

 上海市食品薬品監督管理局の声明によると、当局は20日に工場を閉鎖し、期限切れ食肉を使ったとみられる製品を押収した。現在、警察が捜査を行っており、結果によっては「厳罰」が下ることになるという。

 事態を受け、マクドナルドは問題の工場の製品の使用を即時に中止したと発表。KFCとピザハット(Pizza Hut)を傘下に持つ米外食大手ヤム・ブランズ(Yum!  Brands)も、同様の措置を取ったことを明らかにした。

 中国ではたびたび食の安全を脅かす事件が起きている。背景には、規制の甘さや製造側の手抜きなどがある。

 米小売り大手ウォルマート(Walmart )は今年初め、中国の店舗でロバ肉として販売されていた製品にキツネの肉が混入していたことが発覚し回収を強いられたとして、中国の納入業者に対する検査 を強化すると発表していた。また、昨年には牛肉や羊肉と偽ってネズミやキツネの肉を販売していた食品偽装の疑いで、数百人が逮捕されている。タオバオ代行

2014年7月11日星期五

妻夫木聡と衝突し、北川景子のハグを拒否?

妻夫木聡と北川景子が共演した映画『ジャッジ!』のブルーレイ&DVDが7月9日にリリースされた。本作は広告業界の舞台裏を描いているが、その舞台裏である映画の撮影現場はいったいどんな様子だったのか。今だからこそ語れる秘話&裏話を、メガホンを取った永井聡監督に聞いてみた。本作は、世界有数の広告祭に審査員として参加することになった新人クリエイター(妻夫木)が、同僚(北川)の力を借りながら、自社制作のCMにグランプリをもたらすべく悪戦苦闘するヒューマンコメディ。笑いあり、涙あり、ラブあり、不正あり? 妻夫木&北川をはじめ、豪華俳優陣が演じるフィクションのようでフィクションでないハチャメチャキャラも必見だ。

 永井監督といえば、大塚製薬カロリーメイト「とどけ、熱量。」やサントリーBOSS「ゼロの頂点」など、数多くのヒットCMを手掛ける売れっ子ディレクター。広告業界では泣く子も黙る存在だが、映画の土俵に上がれば新人、それなりに戸惑いもあったと思うが、本人はこう述懐する。

 「異業種の監督が長編を撮ると、ビジュアル主義になる傾向がありますが、僕はそうしたくなかった。特に今回はコメディだったので、役者と役者の演技を軸にして、幅広い年代の方々に楽しんでいただける作品にしたかった」。

 また、CMと映画の大きな違いは、「役者の取り組み方」だと言い切る。「CMの場合、制作側が役者さんを完全にコントロールします。15秒、30秒の演出って役者さんもどうなるかわからないので、まかせるしかないんですね。ところが映画になると、役への思いもあって、いろんなアイデアをぶつけてくる」と明かす。とくに本作は、一にも二にも役者の色。CMと映画の違いもあるが、ここまで役者の表現力を堪能できる作品はそう多くない。

 「妻夫木くんと北川さんの演技へのアプローチが対象的だったのも面白かったですね。妻夫木くんは、いろいろ自分なりに考え抜いて、話し合いの中からどんどん盛っていくタイプ。一方、北川さんは僕が言ったことを、冗談も含めて全て脚本に書き留めるメモ魔。話を聞き逃さず、そこから役を作ろうとするタイプですね。二人ともプロ意識が素晴らしい」。


 ところが撮影2日目に衝突が起こる。原因は、永井監督と妻夫木の役作りのズレだ。「妻夫木くんはもっとオドオドして、声の出し方も奇妙で、極端な人物をイメージしていたのですが、僕は逆に、普通に見えるけど、なんかだらしなくて要領が悪い。そんな等身大の人物に寄せたかった。トヨタのCMで妻夫木くんが演じている“のび太”のイメージに近づけたくなかったんです」と吐露。

 今から思えば、あの日、腹を割ってとことん役について話し合ったから、撮影も迷うことなくスムーズに行けたと振り返る永井監督。だが、北川との関係は、皮肉なことにまったく逆のスタンスだったと打ち明ける。「北川さんの役は孤高の存在なので、あえて僕は距離を置きました。一度、ハグしようとした北川さんを拒否したくらいですからね。本当はすごく仲良くしたかったんですが、すべては映画のため」と苦笑する。

 最後に、豪華キャスト演じるキャラの中から永井監督のイチオシを聞いた。「みんな面白いけど、試写会では松本伊代さん演じる経理の松本さんがバカ受けでしたね。これ、言ってもいいのかな? 実は脚本を書いた澤本さん、松本さんも大好きなんですが、一番のお気に入りは原田知世さんなんですね。追っかけをやっていたくらいですから。だから、なんで松本さんがキャスティングされたのか、いまだに謎」と、笑いながら暴露した。

 早くも2作目の準備に入っているという永井監督。談笑で彼が手掛けたいくつかのCMを称賛していたら、「実は次回作で…あ、いや、やめときましょう」と言葉をさえぎった。それが誰なのか、それが何を意味するのか定かではないが、永井監督は、映画といういばらの道を突き進む覚悟を決めたようだ。「ファンタジーとだけ言っておきます」。いい意味で、期待を大きく裏切る作品が頭をよぎった。タオバオ代行

2014年4月22日星期二

脱出の船長 契約社員だった

韓国南西部・珍島沖の旅客船「セウォル号」沈没事故で、乗客を助けずに脱出した船長のイ・ジュンソク容疑者(68)が契約社員であったことが21日、分 かった。月給270万ウォン(約27万円)の1年契約で、金額は同業他社の船長に比べ6~7割程度だという。船の運航会社が乗員への安全教育費を減らして いたとの報道もあり、同社の安全に対する姿勢が問題になりそうだ。

 朝鮮日報などによるとイ容疑者は高齢のため、「セウォル号」の運航会社である清海鎮海運と1年契約を結んでいた。月給は270万ウォン(約27万円)で、年収ベースで3240万ウォン(約324万円)。これは他の船会社の60~70%だという。

 同社はセウォル号を含む韓国最大級の旅客船2隻を運航しているが、経営状態悪化が指摘されていた。最近は正規社員の船長を減らし、契約社員を含めた交代 制で船を任せていたよう。同紙は、契約社員の船長の場合、部下から無視され、実質的に船を統制するのが難しいと指摘している。

 聯合ニュースによると事故当時、休暇中だったセウォル号の本来の船長は現在、参考人として警察から聴取を受けている。船舶の維持管理過程で問題がなかったかなど調査を受け、「客室の増築などで船の構造が変わり、運航に支障があった」と話しているという。

 経験わずか1年足らずの3等航海士が舵(かじ)を握っていたのも同様の理由からとみられる。全乗務員の半数以上が6カ月から1年の契約社員で、中でも 「船舶職」と呼ばれ、船の運航にかかわる船長、航海士、操舵(そうだ)手、機関士らは15人中9人が契約社員だった。韓国の海運業界関係者からは「経営難 で人件費を抑え、船を無理に運航していたのでは」との声も上がっている。

 船長、船員は危険と隣り合わせの職業のため、日本では船員法で通常の労働基準法より厚遇が保証されており、運航船の船長の年収はおおむね1000万円超 のよう。一方、韓国の船長は正規社員でも日本円にして460万~540万円程度とみられ、国民の平均年収が日本の約5分の3程度とされるデータに照らし合 わせてみても業界的に待遇は劣るが、契約社員だった船長はさらに厳しい労働条件といえる。

 船長を含む乗員が乗客脱出を指揮せず、真っ先に逃げ出したことが問題になっているが、同社が船員安全研修費を減らしていたとの報道も。ある船員は「非常時のための安全訓練などは受けたことがない」と話した。タオバオ

2014年4月16日星期三

羽生選手も愛用

スポーツ用品製造のウイトコ(神戸市中央区)が開発したフィギュアスケートの練習用レギンスが、人気を集めている。ソチ冬季五輪で男子金メダルの羽生結弦選手や女子の有名選手らも使用。フィギュア人気を背景に愛好者が増えている。


 フィギュアの大会では、黒いタイツのようなレギンス姿で調整する選手の姿が何度もテレビに流れた。外からは氷の冷たさや水を通さないが、内側の汗は外に出す。国内では、大阪府東大阪市のメーカーだけが生産できる特殊な繊維を使っている。

 ウイトコは、この繊維を使ってベトナムの工場でスキー用の手袋を製造しており、これをレギンスに転用した。2006年に発売し、口コミで評判が広がった。同社によると、羽生選手は10年ごろから使っているという。

 開発のきっかけは「神戸・ポートアイランドのリンクで、娘がスケートを始めたこと」と中田晴久社長(58)。05年ごろで、当時はトレーニングウエアでの練習が主流だった。

 初心者ほどよく転ぶので、服がぬれ、寒さのあまり競技をやめる子もいた。そこで娘の教室仲間に試作品を配り、改良を進めた。

 娘の名前にちなみ「マリーナアイス」のブランド名で販売。年率20%のペースで売上高が伸びている。昨年8月には、兵庫県西宮市に開業した「ひょうご西宮アイスアリーナ」に初めて直営店も出した。

 中田社長は「お金のかかるスポーツなので、練習着は高品質の商品を安く提供したい」と話す。タオバオ

2014年3月31日星期一

渡辺代表8億円「純粋に個人として借りた」

渡辺代表8億円「純粋に個人として借りた」
< 2014年3月27日 17:58 >


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 みんなの党の渡辺代表は27日夕方、化粧品会社の会長から合計8億円の借り入れをしていた問題で会見を開き、「純粋に個人として借りたもの」などと説明、資産報告書を訂正する考えを明らかにした。

 渡辺代表「(化粧品会社の会長から)2010年に3億円お借りをいたしました。2012年に5億円をお借りしております。吉田会長ご自身が私の個人口座にお振り込みをいただいたそうでございまして、純粋に私の借り入れとして、私の裁量で使い道は考えてまいりました」

 渡辺代表は化粧品会社「ディーエイチシー(DHC)」の会長から2010年と2012年に合わせて8億円借り入れたと述べた上で、使い道について「政治家として生きていく上で必要なもろもろの費用に使った。会議費、交際費、旅費など全部政治資金を使うにふさわしくない支出もある」と説明した。

 また、「5億円を超える借り入れ残高がある」と説明した上で、2012年12月時点の資産報告書に借入金は2億5000万円と記載されている点について、「事務的なミスで訂正したい」などと釈明し、資産報告書を訂正する考えを明らかにした。

 さらに渡辺代表は、違法性の認識はなく代表の職を辞する考えはないと強調した。

 渡辺代表「(Q責任をとって地位を辞する考えは?)ございません。きちんと説明していくのが、私の責任を全うすることだと考えている」

 今後、渡辺代表は党の倫理委員長で弁護士の三谷衆議院議員に通帳を提出し、公職選挙法や政治資金規正法などに抵触しないか調査するという。

2014年3月17日星期一

 腰椎分離症とは

・どんな病気
 腰椎分離症とは椎体と椎弓とをつなぐ椎弓峡部に疲労骨折が起こり、椎体と椎弓が離れてしまう病気のこと。成長期の子どもが、スポーツとくに腰を反らせたり、反らせて捻ったりする動作を繰り返す運動で生じやすいとされ、第5腰椎に多くみられる。

 分離した腰椎が徐々に前方にすべったものが腰椎分離すべり症と呼ばれる。腰椎分離症や分離すべり症が腰痛の原因になることはあっても必ず腰痛を起こすとは限らず、一流スポーツ選手の中にもこの病気を抱えたまま活躍している人はたくさんいると言われている。分離症初期はレントゲンでは診断がつきにくく、CTやMRIを行うことは早期診断に有用である。

・治療法
 腰痛で受診して腰椎分離が初期で見つかった場合は、コルセットを装着して4~6カ月間は運動を休止する。治療経過中にレントゲンやCTを行って分離部に骨癒合が得られればスポーツに復帰できる。分離部が硬化して骨癒合が期待できない状態であれば、長期間の安静をとらずに腰痛が改善すればスポーツに復帰してもよい。

 大人になってから腰椎分離症が偶然みつかる場合もあるが、症状がなければ治療の必要はない。腰痛や脚のしびれなどが持続して薬物療法による改善が得られず、日常生活に支障を来すようであれば手術を検討する。圧迫された神経を解放し、不安定な腰椎を固定することにより症状の改善が期待できる。

■変形性脊椎症~加齢により椎間板と椎間関節が変形

・どんな病気
 加齢により椎間板や椎間関節が変形することで誰にでも起こりうる一般的な病気である。軽いうちは無症状のことが多いが、変形が進むと痛みが起こったり、腰の動きが制限されて柔軟性が失われる。レントゲンでは椎間板の隙間が狭くなったり骨棘形成がみられる。また人により脊柱管狭窄症が現れることがある。

・治療法
 痛みの強いときは腰部をサポーターで固定し、痛み止めを服用し、活動を制限して苦痛の軽減をはかる。慢性期であれば腰臀筋や腹筋の筋力増強運動、ストレッチ体操などの運動療法を行う。また膝から下の足にしびれや筋力低下などの神経症状が現れた場合は整形外科専門医を受診し、脊柱管狭窄症に進行していないかを診てもらう必要がある。

■腰椎変性すべり症~腰椎がずれることで神経を圧迫する

・どんな病気
 腰椎の関節が変形して上下の椎骨がずれることで脊柱管が狭くなって神経が圧迫されるために腰痛や脚のしびれ・痛み、神経性間歇跛行がおこる病気で、腰部脊椎管狭窄症の一種とされている。腰椎の後屈で症状が悪化し、前屈姿勢で楽になる特徴がある。

 進行すれば歩行距離や立っていられる時間が短縮して日常生活動作の障害や排尿障害が出現するようになる。中年女性に多くみられ、とくに第4腰椎に発生することが多いが、第3腰椎にみられることもまれではない。レントゲンでは椎体の前方すべりと椎間関節の変形がみとめられ、MRIですべり椎の部分で神経が圧迫されていることで診断される。

・治療法
 まずは病気のメカニズムを理解し症状の悪化につながるような生活動作を避けるようにする。治療としてはコルセット、消炎鎮痛剤の服用、腰椎牽引や温熱などによる物理療法を行い、効果が得られなければ硬膜外ブロックなどの神経ブロック療法を行うこともある。これらの治療で効果が得られずレントゲンやMRIで明らかな神経狭窄がある場合は、手術が行われる。神経を圧迫している椎弓や靱帯を切除する手技は腰部脊柱管狭窄症と共通である。椎体のすべりに伴う不安定性があれば脊椎固定術を追加する。

■脊柱側弯症~背骨が左右に弯曲、思春期に進行しやすい

・どんな病気
 正面から見ると、通常まっすぐな背骨が左右に弯曲している状態。原因不明で思春期に現れやすい特発性側弯症が多いが、先天性のもの、他の病気が元になって発生するものもある。

 進行すると脊柱変形が衣服の上からも分かるようになり精神的に憂鬱な気分になったり、腰背部痛が出やすくなったりする。変形が高度になれば肺機能の低下をきたすこともあり、早期診断と適切な治療が大切である。

・治療法
 特発性側弯症については学童期に側弯検診で指摘されて病院を受診して診断されることが多い。成長期に進行しやすいため定期的な経過観察を受け、25度以上の側弯症には進行を予防するためにコルセットを装着するが、50度をこえるような重症の場合では、手術による矯正が勧められる。

■脊椎腫瘍~腫瘍により骨が破壊され、背中や腰に痛みを生じる

・どんな病気
 背骨(椎骨)にできる腫瘍。原発性のものもあるが、他臓器の悪性腫瘍が転移したものが多い。

 腫瘍細胞が増殖することにより骨が破壊されて、背中や腰に痛みを生じる。また、腫瘍が脊髄や神経を圧迫すると神経障害症状が起こる。痛みや神経麻痺は日毎に悪くなる特徴があり、安静や鎮痛剤による症状の改善が得られにくい。

 レントゲンでは椎骨に白い陰がみられる場合と骨が溶けてみられる場合とがある。CTやMRIによりさらに詳しい情報が得られるが組織標本を取って調べるまでは診断がつかないこともある。また原発巣診断のために血液検査で腫瘍マーカーを調べたり、シンチグラフィやペットで腫瘍を探したり、脊椎腫瘍の一部を採取して組織検査を行なうなどして診断する。

・治療法
 薬では治まらない痛みが続くとき、脊椎が破壊されて不安定になってしまうとき、進行性に重篤な麻痺が出現するときは手術が行われる。神経を圧迫している骨を切除し、金属のスクリュウやロッドを使って脊椎を固定する。ただし、腫瘍の悪性度、全身転移の程度、神経麻痺の程度、全身状態などから治療方法が決定されるので、手術は行わずに放射線照射、化学療法などを選択する場合もある。腫瘍の種類によっては特異的な治療により著明な治療効果を期待できるものもありので、原発巣の診断が最優先事項である。

■脊髄腫瘍~脊髄内や周囲に腫瘍ができ脊髄が圧迫される

・どんな病気
 脊髄内や脊髄の周辺に腫瘍ができ、神経が圧迫されて、しびれ、感覚障害、筋力低下などの神経障害症状が現れる。良性腫瘍は長い年月をかけて大きくなるのでレントゲンやCTで脊椎の一部に骨がえぐられたような変形をみることが多い。悪性腫瘍は発育が早いので神経麻痺の進行が早く、レントゲンやCTでは脊柱の変化はみられない。

・治療法
 脊髄周辺に発生した腫瘍は外科手術で腫瘍を完全に取り除くことができることが多く、手術による脊髄への侵襲も少なく、再発の危険も少ないので手術治療の価値が高い。

 一方、脊髄内に発生した腫瘍は摘出の際に脊髄への侵襲が大きく、さらに悪性度の高い腫瘍では完全に摘出することは困難であるため再発率が高くなる。再発を防ぐために積極的に腫瘍切除を行えば、その分脊髄への負担は高まり術後に麻痺を残す結果となる。完全切除を断念して放射線照射や化学療法を追加する方が良い結果を生むこともある。

■化膿性脊椎炎~脊椎に細菌が感染することで起こる

・どんな病気
 高齢者や糖尿病患者、透析患者、ステロイド長期使用者、悪性腫瘍に罹患して免疫抑制治療を受けている人などに起こることが多い。上気道や尿路の細菌感染などが血行性に脊椎に波及して感染巣を作り、熱発して激しい腰背部痛のために体動困難となる。

 肺や消化器の感染巣から波及する場合では脊椎への感染はマスクされて脊髄麻痺や脊椎に著しい変形が出現するまで気付かれない場合があり。感染性疾患の治療中に腰痛が併発した場合には注意が必要である。

 また起炎菌が弱毒性の場合でも発熱や感染徴候が軽度になり、そのために診断が遅れることがある。初期ではレントゲンに脊椎の変化はみられず診断が難しく、MRIを用いた早期診断が重要である。感染巣から流出した膿が神経を圧迫して脊髄麻痺を生じることがある。

・治療法
 起炎菌を同定することが先決事項であり、抗生剤の点滴を行う前に血液培養検査で細菌を検出する。発熱が軽度な場合、すでに抗生物質による治療が開始されている場合は細菌の検出が難しい。必要があれば脊椎の病巣を穿刺した液から細菌培養を行い、抗生剤の感受性を調べて薬剤選択を行う。脊髄麻痺や脊柱が変形するような病巣の拡大を見る場合は外科的に病巣を郭清して、健全な骨組織を移植する手術が行われる。

■その他の病気

腰痛が主な症状でありながら脊柱以外の内臓の病気が原因である場合もある。たとえば次のようなものがある。

●解離性大動脈瘤
 大動脈の壁に裂け目ができ、その隙間に血液が入り込んで裂け目を拡大し、血管がこぶ状に膨れあがる病気。動脈壁が解離するときにひきちぎられるような腰の痛みが起こる。激しい痛みで顔面蒼白、冷汗などがみられる。一刻も早く適切な処置をしないと生命の危険がある。

●尿路結石
 結石が尿管などに詰まり、わき腹や背中に激痛を起こす。結石の移動により痛みの部位が下腹部や陰部に移動する。尿検査で血尿が見られれば本症を疑い、レントゲンで尿管の位置に結石を認める。多量の水分摂取や縄跳びや階段降りで結石の排出を促す。薬物療法で排出がみられない場合は、体外衝撃波で結石を破壊して排出させる方法もある。

●子宮内膜症
 本来子宮内腔にあるはずの子宮内膜組織が、卵巣など子宮外にできる病気。ホルモン周期により子宮内膜の増殖、剥離が起こり、月経時に下腹部痛や腰痛がみられる。

 その他、胆嚢、十二指腸、すい臓など、背中に近い部分の臓器に炎症を伴う病気では、腰痛が最初に現れる症状である可能性がある。
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