2014年3月17日星期一

 腰椎分離症とは

・どんな病気
 腰椎分離症とは椎体と椎弓とをつなぐ椎弓峡部に疲労骨折が起こり、椎体と椎弓が離れてしまう病気のこと。成長期の子どもが、スポーツとくに腰を反らせたり、反らせて捻ったりする動作を繰り返す運動で生じやすいとされ、第5腰椎に多くみられる。

 分離した腰椎が徐々に前方にすべったものが腰椎分離すべり症と呼ばれる。腰椎分離症や分離すべり症が腰痛の原因になることはあっても必ず腰痛を起こすとは限らず、一流スポーツ選手の中にもこの病気を抱えたまま活躍している人はたくさんいると言われている。分離症初期はレントゲンでは診断がつきにくく、CTやMRIを行うことは早期診断に有用である。

・治療法
 腰痛で受診して腰椎分離が初期で見つかった場合は、コルセットを装着して4~6カ月間は運動を休止する。治療経過中にレントゲンやCTを行って分離部に骨癒合が得られればスポーツに復帰できる。分離部が硬化して骨癒合が期待できない状態であれば、長期間の安静をとらずに腰痛が改善すればスポーツに復帰してもよい。

 大人になってから腰椎分離症が偶然みつかる場合もあるが、症状がなければ治療の必要はない。腰痛や脚のしびれなどが持続して薬物療法による改善が得られず、日常生活に支障を来すようであれば手術を検討する。圧迫された神経を解放し、不安定な腰椎を固定することにより症状の改善が期待できる。

■変形性脊椎症~加齢により椎間板と椎間関節が変形

・どんな病気
 加齢により椎間板や椎間関節が変形することで誰にでも起こりうる一般的な病気である。軽いうちは無症状のことが多いが、変形が進むと痛みが起こったり、腰の動きが制限されて柔軟性が失われる。レントゲンでは椎間板の隙間が狭くなったり骨棘形成がみられる。また人により脊柱管狭窄症が現れることがある。

・治療法
 痛みの強いときは腰部をサポーターで固定し、痛み止めを服用し、活動を制限して苦痛の軽減をはかる。慢性期であれば腰臀筋や腹筋の筋力増強運動、ストレッチ体操などの運動療法を行う。また膝から下の足にしびれや筋力低下などの神経症状が現れた場合は整形外科専門医を受診し、脊柱管狭窄症に進行していないかを診てもらう必要がある。

■腰椎変性すべり症~腰椎がずれることで神経を圧迫する

・どんな病気
 腰椎の関節が変形して上下の椎骨がずれることで脊柱管が狭くなって神経が圧迫されるために腰痛や脚のしびれ・痛み、神経性間歇跛行がおこる病気で、腰部脊椎管狭窄症の一種とされている。腰椎の後屈で症状が悪化し、前屈姿勢で楽になる特徴がある。

 進行すれば歩行距離や立っていられる時間が短縮して日常生活動作の障害や排尿障害が出現するようになる。中年女性に多くみられ、とくに第4腰椎に発生することが多いが、第3腰椎にみられることもまれではない。レントゲンでは椎体の前方すべりと椎間関節の変形がみとめられ、MRIですべり椎の部分で神経が圧迫されていることで診断される。

・治療法
 まずは病気のメカニズムを理解し症状の悪化につながるような生活動作を避けるようにする。治療としてはコルセット、消炎鎮痛剤の服用、腰椎牽引や温熱などによる物理療法を行い、効果が得られなければ硬膜外ブロックなどの神経ブロック療法を行うこともある。これらの治療で効果が得られずレントゲンやMRIで明らかな神経狭窄がある場合は、手術が行われる。神経を圧迫している椎弓や靱帯を切除する手技は腰部脊柱管狭窄症と共通である。椎体のすべりに伴う不安定性があれば脊椎固定術を追加する。

■脊柱側弯症~背骨が左右に弯曲、思春期に進行しやすい

・どんな病気
 正面から見ると、通常まっすぐな背骨が左右に弯曲している状態。原因不明で思春期に現れやすい特発性側弯症が多いが、先天性のもの、他の病気が元になって発生するものもある。

 進行すると脊柱変形が衣服の上からも分かるようになり精神的に憂鬱な気分になったり、腰背部痛が出やすくなったりする。変形が高度になれば肺機能の低下をきたすこともあり、早期診断と適切な治療が大切である。

・治療法
 特発性側弯症については学童期に側弯検診で指摘されて病院を受診して診断されることが多い。成長期に進行しやすいため定期的な経過観察を受け、25度以上の側弯症には進行を予防するためにコルセットを装着するが、50度をこえるような重症の場合では、手術による矯正が勧められる。

■脊椎腫瘍~腫瘍により骨が破壊され、背中や腰に痛みを生じる

・どんな病気
 背骨(椎骨)にできる腫瘍。原発性のものもあるが、他臓器の悪性腫瘍が転移したものが多い。

 腫瘍細胞が増殖することにより骨が破壊されて、背中や腰に痛みを生じる。また、腫瘍が脊髄や神経を圧迫すると神経障害症状が起こる。痛みや神経麻痺は日毎に悪くなる特徴があり、安静や鎮痛剤による症状の改善が得られにくい。

 レントゲンでは椎骨に白い陰がみられる場合と骨が溶けてみられる場合とがある。CTやMRIによりさらに詳しい情報が得られるが組織標本を取って調べるまでは診断がつかないこともある。また原発巣診断のために血液検査で腫瘍マーカーを調べたり、シンチグラフィやペットで腫瘍を探したり、脊椎腫瘍の一部を採取して組織検査を行なうなどして診断する。

・治療法
 薬では治まらない痛みが続くとき、脊椎が破壊されて不安定になってしまうとき、進行性に重篤な麻痺が出現するときは手術が行われる。神経を圧迫している骨を切除し、金属のスクリュウやロッドを使って脊椎を固定する。ただし、腫瘍の悪性度、全身転移の程度、神経麻痺の程度、全身状態などから治療方法が決定されるので、手術は行わずに放射線照射、化学療法などを選択する場合もある。腫瘍の種類によっては特異的な治療により著明な治療効果を期待できるものもありので、原発巣の診断が最優先事項である。

■脊髄腫瘍~脊髄内や周囲に腫瘍ができ脊髄が圧迫される

・どんな病気
 脊髄内や脊髄の周辺に腫瘍ができ、神経が圧迫されて、しびれ、感覚障害、筋力低下などの神経障害症状が現れる。良性腫瘍は長い年月をかけて大きくなるのでレントゲンやCTで脊椎の一部に骨がえぐられたような変形をみることが多い。悪性腫瘍は発育が早いので神経麻痺の進行が早く、レントゲンやCTでは脊柱の変化はみられない。

・治療法
 脊髄周辺に発生した腫瘍は外科手術で腫瘍を完全に取り除くことができることが多く、手術による脊髄への侵襲も少なく、再発の危険も少ないので手術治療の価値が高い。

 一方、脊髄内に発生した腫瘍は摘出の際に脊髄への侵襲が大きく、さらに悪性度の高い腫瘍では完全に摘出することは困難であるため再発率が高くなる。再発を防ぐために積極的に腫瘍切除を行えば、その分脊髄への負担は高まり術後に麻痺を残す結果となる。完全切除を断念して放射線照射や化学療法を追加する方が良い結果を生むこともある。

■化膿性脊椎炎~脊椎に細菌が感染することで起こる

・どんな病気
 高齢者や糖尿病患者、透析患者、ステロイド長期使用者、悪性腫瘍に罹患して免疫抑制治療を受けている人などに起こることが多い。上気道や尿路の細菌感染などが血行性に脊椎に波及して感染巣を作り、熱発して激しい腰背部痛のために体動困難となる。

 肺や消化器の感染巣から波及する場合では脊椎への感染はマスクされて脊髄麻痺や脊椎に著しい変形が出現するまで気付かれない場合があり。感染性疾患の治療中に腰痛が併発した場合には注意が必要である。

 また起炎菌が弱毒性の場合でも発熱や感染徴候が軽度になり、そのために診断が遅れることがある。初期ではレントゲンに脊椎の変化はみられず診断が難しく、MRIを用いた早期診断が重要である。感染巣から流出した膿が神経を圧迫して脊髄麻痺を生じることがある。

・治療法
 起炎菌を同定することが先決事項であり、抗生剤の点滴を行う前に血液培養検査で細菌を検出する。発熱が軽度な場合、すでに抗生物質による治療が開始されている場合は細菌の検出が難しい。必要があれば脊椎の病巣を穿刺した液から細菌培養を行い、抗生剤の感受性を調べて薬剤選択を行う。脊髄麻痺や脊柱が変形するような病巣の拡大を見る場合は外科的に病巣を郭清して、健全な骨組織を移植する手術が行われる。

■その他の病気

腰痛が主な症状でありながら脊柱以外の内臓の病気が原因である場合もある。たとえば次のようなものがある。

●解離性大動脈瘤
 大動脈の壁に裂け目ができ、その隙間に血液が入り込んで裂け目を拡大し、血管がこぶ状に膨れあがる病気。動脈壁が解離するときにひきちぎられるような腰の痛みが起こる。激しい痛みで顔面蒼白、冷汗などがみられる。一刻も早く適切な処置をしないと生命の危険がある。

●尿路結石
 結石が尿管などに詰まり、わき腹や背中に激痛を起こす。結石の移動により痛みの部位が下腹部や陰部に移動する。尿検査で血尿が見られれば本症を疑い、レントゲンで尿管の位置に結石を認める。多量の水分摂取や縄跳びや階段降りで結石の排出を促す。薬物療法で排出がみられない場合は、体外衝撃波で結石を破壊して排出させる方法もある。

●子宮内膜症
 本来子宮内腔にあるはずの子宮内膜組織が、卵巣など子宮外にできる病気。ホルモン周期により子宮内膜の増殖、剥離が起こり、月経時に下腹部痛や腰痛がみられる。

 その他、胆嚢、十二指腸、すい臓など、背中に近い部分の臓器に炎症を伴う病気では、腰痛が最初に現れる症状である可能性がある。
何でもタオバオ代行に任せて代行させていただけましょう   

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